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台風が過ぎて、今日は気持ちよく晴れましたね!

美那子ちゃんにチョコレートケーキをご馳走になったので、今日はモンブランランスープでお返ししました。

なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか?恩蔵絢子&永島 徹

なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか?恩蔵絢子&永島 徹

2026年9月22日(火)☀️なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか?
恩蔵絢子&永島徹 p421〜p441

どんな認知症でも、誰でも、人と比べたり、以前の自分と比べたりすることを止めることが肝心です。

アメリカの心理学者ミイ・チクセントメントミハイはフローと言う概念を提唱しました。(図33)

これによれば、人はどんな状態でも、どんな環境でも、楽しんで物事に没頭することが可能だそうです。

チクセントミハイは、戦争中にも変わらず、また、全然絵が売れないのにもかかわらず、友人の画家が絵を描くことに時間を忘れて没頭して楽しそうにしているのを見て、フローを思い着きました。

フローとは、時間を忘れて、作業に没頭し、結果にかかわらず、作業自体を楽しんでいる状態のことを言います。

戦争中でも、自分が病気でも、人間は楽しむことが可能です。そのポイントは、もしも前と同じことをすることが難しくなっても、今の自分を基準に少しだけ難しいと感じられることをすることです。

図33:フロー

アメリカの心理学者。、チクセントミハイの提唱したフロー。

フローとは、時間を忘れて、物事に没頭している状態、また我を忘れて、その物事と一体になっている状態のこと。縦軸が技術で横軸が難易度を表す。

人間が本当に楽しく、物事に挑戦して、フローに入れるのは、今の自分の技術と課題の難易度とが釣り合っている時である。

自分にとって難しすぎる課題をやってやるとき、人は不安を感じる。一方自分にとって簡単すぎる課題をやる時は、人は退屈を感じる。

だから、自分にとって無理のない範囲で、ほんのちょっとだっけ難しいことをすることが、、楽しいと感じられることになる。そういうことをしているときは、時間忘れるほど没頭できるのである。

認知症があっても、他の人と比べる必要はなく、また昔の自分とも比べる必要はなく、今の自分にとって、ちょっとだけ難しいことに挑戦してみると、毎日が楽しくなるはずである。友達の家に行くことが、今の自分にとってちょっとだけ難しいことならば、それをやってみれば良い。

何度か間違えても、行きつけたけたときには、脳は喜んで、ドーパミンと呼ばれる物質を出す。ドーパミンが出ると、その行動をもっとやってみたくなると言う仕組みが脳の中にある。

それを挑戦してみて、できたときには、脳がとても喜んで快を与える神経的物質ドーパミンをたくさん放出することが知られています。そして自信になります。そうするとそれをもっとやってみたくなる、と言う強化学習が起こります。

今の自分にとって、少しだけ難しいことに挑戦すると、生活の中に喜びが生まれ、自分にはまだまだ学習ができると言うことを信じられるようになります。他人や過去の自分と比べて、できなくなったと言うよりも、今の自分にとって、少しだけ難しいことをしてみる。

それが脳の可塑性を生かし、幸せを作ることです。今の自分に学びがあれば、それで良いのではないでしょうか。比べるのをやめる。それが1番の対策なのかもしれません。

アシストポイント。

若年性認知症の人が必要としているサポートとは・・・

その人の持つ力を生かせるように支援していきましょう。

ご本人の思い:

やってみようと言う意欲を持ち続けたい

認知症の人への支援と言うと、真っ先に、介護保険等の制度やサービスが思い浮かぶかもしれません。

しかし、高齢の認知症の人と、若年性認知症の人とでは、発症した年齢、生活状況も異なり、当然必要としている支援も違ってきます。

脳科学の視点から、高齢の人と比べて、若い人は、認知症による脳のダメージを補う力、過疎性が高いと言うことも見えてきました。

そのような、若年性認知症の人の力を生かせる生活環境を社会として作っていくことが重要です。

身近な家族、友人、知人の理解、協力もその生活環境作りの大きな力になります。

若年性認知症の人には、どんな生活支援が必要なんだろうか?

ここで一体何をしてくれるのですか?

ソーシャルワーカーとして、若年性認知症支援コーディネーターを務める、私のところに相談に見えた五郎さん夫妻。

それまでこわばった表情で、じっとうつむいてた五郎さんが、奥さんがこれまでの経緯を必死に話した後に、声を振り絞るようにして、冒頭の問いかけをされました。

病気がわかった時点で勤めていた会社から長期療養を勧められ、その後帰を果たせないまま退職することになりました。そして体調崩して入院。ようやく退院できたものの、これからのことがまったく考えられないまま、診断を受けて2年近くか経とうとしていました。

この間、若年性認知症の人も代償となる制度として、介護保険や、障害者のための就労支援等の説明を何度か夫婦で受けてきたようでした。しかし、冒頭の五郎さんの言葉が表すように、どれも2人の生活の方向性を照らすものとはなりませんでした。それどころか、制度の説明はとても事務的に聞こえて、介護、障害と言う音だけが冷たく耳に残ってしまったようでした。専門職は、生活支援を現在ある制度の紹介やサービスの利用につなげることと考えてしまいがちです。しかし、それは本人たちにとって、時として支援にならないことがあると言うことを、五郎さん夫妻は教えてくれていました。

そこで、専門職として私がまずした事は、五郎さん夫妻の思いを丁寧に聞かせていただきこれからの生活に向けて、何をどこから始めていったら良いか、その整理のお手伝いです。

障害年金の手続きを進め、当面の経済的に不安な状態を立て直しました。

そして、地域の社会資源と繋げ、ボランティアとして役割をになっていただきました。

ボランティア活動について、五郎さんは、頼りにされる事は最高だよと表情を輝かせて話してくれました。

不安の中でも、2人が持って生きる力で、新たな生活に向けて動き出させました。

少し長い終わりに

認知症を持つ人の暮らしの障害とアシスト。

ソーシャルワーカー、永島 徹

特別ではない認知症

日常的に耳にするようになった認知症ですが、その呼称が使われることになったのは2004年からです。。

今では認知症という言葉を知らない人はいないかもしれません。けれど、認知症のことを身近に感じられている人はどれくらい入れられるでしょうか?

それまでは、物忘れを最近うちのおじいちゃん歳をとってボケちゃってなどと加齢による1つの特徴と受け入れられていたものが、病気として特別なものと考えられるようになってしまったように思います。

認知症と診断されたんですが、これからどうしていったらいいかわかりませんと言うようなご家族からの相談を数多く受けてきました。これもその現れだと思います。

介護の現場でも、認知症ケアは特別で難しいと考えられてきました。落ち着かない、拒否が強い、大声を出すなど対応が難しくなると、認知症が進んでしまったからと言う言い方でわかったつもりになってしまいます。

なぜ落ち着かないの、なぜ拒否するの、なぜ大声を出すの・・・。

なぜ?の理由は考えられないまま、認知症だからで済まされてしまう現実があります。

認知症の人の数は、2025年には、高齢者の約20%を占める約7,000,000人になることが指摘されています。高齢者のうち5人に1人が認知症を発症してくると言う計算です。認知症は特別ではなく、私たちの人生に身近に関わってくるものと考えられるのです。

これまでの狭義のケアだけでは解決できない問題。

これまでの認知症ケアは、症状への対応が中心に考えられてきた狭義のケアでした。

症状の顔を抑制するため、プライドを尊重して安心感を与える。

相手を受容して、失敗を責めないなどが、ケアの心構えとされてきました。

もちろん、そのような心構えはとても大切です。けれど、狭義のケアでは、症状への対処で終わってしまい、人を尊重した支援にまで届きにくかったと思います。

先述したように、落ち着かないのは認知症だから、拒否するのは認知症だから、大声を出すのは認知症だから、と捉える状況にとどまっていては、認知症を持つ人の言葉の理由を理解できなまま、場当たり的な対応になってしまいます。認知症と言う呼称が使われるようになって、20年近くが経とうとしている。今、私たちは、認知症を特別なものと捉えるのではなく、誰もが認知症になっても安心して自分らしい生活を続けていけるような支援のあり方を考える段階に来ていると思います。

脳科学の視点で見えてきた、認知症の人のなぜ?の理由

認知症を持つ人への新たな支援のあり方を考えていくためには、症状だけでなく暮らしに焦点を当てて考えていかなければならないでしょう。つまり、認知症の症状を知るだけでなく、その症状が日々の暮らしの中にどのように影響し、暮らしの障害となって現れてくるのかを知ることが重要です。

認知症を暮らしの障害として理解できるようになることで、認知症のある人の苦手な部分を補う形で生活を支援することが可能になります。

また、認知症を持つ人の思いに着目することも重要です。

暮らしの障害の中にその人のどんな思いが存在しているのかを理解することで、その思いを尊重し、思いを生かした支援が可能になります。

そして、認知症の症状が、どのような暮らしの障害となってあらわれてくるのか、暮らしの障害の中に、その人のどのような思いが存在しているのか、そのことを明らかにしていくためには、脳科学の視点が不可欠です。これまでも、脳科学の視点から認知症の行動心理症状(周辺症状)へのよりよい対応の仕方などは明らかにされてきていますけれど、やはりそれは、認知症の症状に焦点が当てられたものであり、認知症を持つ人の暮らしに焦点が当てられたものではないと言うように感じていました。

そのような中、出会えたのが記憶を失っても、その人らしさを失われないといった恩蔵絢子さんの言葉でした。

私は、恩蔵さんの著書を読み、これまでとは明らかに違う希望を感じ、人間の脳力の働きと可能性を知ることができました

このことから、ぜひ、恩蔵さんに本書の事例を脳科学の視点で解説してもらいたいと思いました。

私は2003年7月にNPO法人風の詩を立ち上げて以来、通所介護事業所でディホーム風の詩に通ってくださるお仲間を通じて、多くの認知症を持つ人と関わってきました。本書のなぜは、その方たちの生きる姿を通して、私たちに届けられた訴えでもあります。

認知症だからでわかったつもりにならないで、私のことをわかろうとしてください。どの方からも、そんな強い思いを感じながら、それぞれの思いを察する支援に努めてきました。

認知証だけではなく、認知症とともに、生活する人の思いに目を向けて、取り組んできた実践です。けれど、思いは目に見えず、形もなく、察した内容の根拠も漠然としたものになりがちでした。

本書では、恩蔵さんの解説で、日常生活の中の認知症の人の言動に関するなぜの理由が、私たちの脳の仕組みや働きから科学的に見えてきました。

そして、人間の感情や自意識を専門に研究している。恩蔵さんにより、それぞれの事例で紹介した方々の思いが科学的に代弁されています。

生きる力の回復を目指して、ケアからアシストへ。

脳科学で見えてきた認知症の人の言動に関するなぜの理由とその中にあるその人の思いは、今後誰もが認知症になっても、安心して生活を続けていけるようになるための前向きな大きなヒントになっています。

私が本書で皆さんに伝えたかった事は、認知症の症状へのマニュアル的な対応ではなく、その人の思いを尊重した関わり合いの大切さです。そのために本書ではケアに変えてアシストと言う言葉を用いています。アシストと言う言葉を聞いて。

イメージしやすいのは、サッカーなどで、得点に直接つながるパスを送る場面やその選手の姿でしょう。

バスを送る選手は、パスを受け取る相手がゴールを決めて、自分たちのチームの得点につながるように、互いの力を信じ合ったプレーをしています。

アシストは、お互い様のかかわり合いにつながる概念なのです。

ケアする人の技術や力を使うと考えられますが、アシストはアシストする人の力だけではなく、アシストされる人の力も使います。また、ケアの基本はケアする人の残存能力(身体的に今も持っている力)、を活かすとされていますが、アシストはアシストされる人が培ってきた力を活かすと言う発想になります。

そして、そのために、相手の生活背景や、育まれてきた思いなどにも、さらに目が向けられることになるでしょう。

新たな支援の目的は、認知症を持つ人も、その人を支える家族も、認知症という言葉に失望してしまうだけの今から、前向きに、意欲的にその人らしい生活を継続していけるようになること、生きる力の回復にあると考えます。

認知症と言う言葉のフィルターで見えなくなってしまっていたけれど、認証症になったからといって決して変わらない、生きる力を信じて、皆さんと共にお互い様の関わり合いで、前向きな実践を積み重ねていきたいと思います。

認知症を持つ人の暮らしの障害(生活の支障)を改善するための対策(工夫)を誰もが普通に語り合い、生活に活かしていく社会を目指して・・・

本書を通じて、それぞれの生活や地域社会の様々な場面で、たくさんの対策(工夫)を考えるきっかけとなれば幸いです。

むすびに、脳科学者 恩蔵絢子さん。認知症を持つ人の暮らしの障がいのなぜ?だけではなく、その対策まで、脳科学の視点から解説いただいたこと、素晴らしいと思いました。多くの読者にとって、認知症を持つ人へのアシストを考える際に、大変役立つ知識になるはずです。本当にありがとうございました。

また、2008年に出版した必察!認知症ケア以来、私たちの実践に寄り添い続け、多くの方々に伝える機会を作ってくださった中央法規出版の寺田、真理子さんずっと感謝しています。そしていつも私のそばでアシストしてくれる風の詩の仲間たち。適切なアドバイスでアシストをしてくれる私の大切なパートナー、みっちゃんにも心から感謝です。

みんな、みんな、ありがとう。そして、これからも、どうぞよろしくお願いします。
最後に、認知症の人をアシストできる様みなさんで支援できる社会を作りたいと思います。
田中 深雪&田澤 美雪より

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