今日は、台風が来て大変でしたね!!
今日は、トマトシチューを美那子ちゃんと一緒に作ったよ!!
2026年9月21日(月)なぜ認知症の人は家に帰りたがるのか。恩蔵絢子&永島徹 p421〜p441より抜粋しました。
図32:前頭眼こう皮質から、前頭葉と側頭葉に萎縮が広がることがある。
前頭葉は発話を含め、運動の計画を立て、実行すると言う役割があり、側頭葉は言葉の意味の理解などを担当している。
側頭葉と前頭葉のつながりで、言語を理解して発話することが可能になる。
側頭葉は耳から入ってきた情報が大脳皮質に最初に届く場所でもあり、言葉の意味を理解するために重要な場所(ウェルニッケ野)があります。
よって、言葉の意味を理解したり、言葉で表現したりすることに問題が表れることも多いのです。
側頭葉の奥には島皮質と呼ばれる、内臓からの情報を受け取って、自分の体の内部の状態がどんな調子か知覚する部位があります。
また、前頭葉はいろいろな情報をもとに、運動計画を立てる脳部位で、愚痴を動かしてしゃべる、つまり発話に関係する重要な領域(ブローカ)
を含んでいます。
それゆえに、どこから始まるにせよ、前頭型頭型認知症の人には、言葉の意味を理解したり、自分の表情や体の状態、意図を適切に把握して、人に伝えたりすることに問題があられることがあるのです。
自分の体からのシグナルを受け取って、適切に伝える事は、健康な人にとってもなかなか難しい課題です。どこが痛いのか、体に何が不足しているのかは十分に知覚できないもので、誰でも水分不足に気づかず、いつの間にか熱中症になる可能性があります。
側頭葉と前頭葉に問題を抱えている前頭側頭型認知症の人は、自分の体の状態を適切に伝えることが困難になるために、ご本人の体が走っているシグナルを周りの人がよく観察することが必要になるのです。
太郎さんも、口内炎などの痛みが自分で察知しにくく、言葉にしにくいところがあるんでしょう。
細かい原因が伝えられずに、苛立ちとして、行動に現れてしまうのです。
体のどこかに問題が起きている、環境がその人に合っていない、などの脳以外の要因があっても、それを改善すると言うことで、苛立ちが減ることがあります。なんでも、認知症のせいにしないと言うのも大切なポイントなのかもしれません。
アシストポイント
体調不良など、自身の変化を言葉で伝えられなくなってしまったら・・・・
認知症のせいにせず、変化の要因を高く的に見ていきましょう。
ご本人の思い:
認知症だから・・・で決めつけないで
イライラして落ち着かなくなる不穏の状態や、手を貸そうとする家族や介護職に大声や手を挙げてしまう介護拒否と言われる状態が見られてくることで、認知症が進んでしまったためと考えられてしまいがち。しかし、ここで重要な事は、変化の要因を直ちに認知症だから。・・・にしてしまわず、周囲が本人の状態を観察し、気持ちを察することです。察するのはとても難しいことですが、ご本人にとって何か嫌なことが起きている事は事実です。
身体的要因、心理的要因と環境的要因などの面から捉えていくこと、ご本人は言葉では伝えられなかった変化の理由が見えてきます。
認知症の進行だと思い込んでいた変化に、体調不良などの理由が見つかり、その部分への対処をしていくことで、状態が安定していくことも少なくありません。
事例33
なぜ、その人らしさは、最後まで残るのか?
太郎さん、男性、76歳、要介護5、前頭型頭型認知症、夫婦2人暮らし
風邪をこじらせ、肺炎を併発した太郎さん。全身状態の活動性が低下し、徐々に寝たきりになっていきました。家族は迷いながらも、自宅で太郎さんと生活を続ける道を選択しました。
点滴や痰の吸引は、太郎さんにとって、混乱を煽ってしまうものとなり、何なんだ〜!と大きな声で叫び、安全に言うことが難しい状況になることもありました。それでも、月に1度の往診、2回の訪問看護で培ってきた医療とのつながりで、太郎さんが安心できる声のかけ方、周りの取り方を考えていたスタッフの対応もあり、一進一退を繰り返しながら、そなたの時間を過ごすことができました。
妻の希望もあり、リビングにベッドを設置することで、台所で家事をする妻の気配を感じながら過ごすことができるようになりました。
ベッド脇の窓からは、子供たちが生まれたときに植えたと言う危機を見ることができました。そして長女の提案で、太郎さんが好きな音楽を流すようにしました。家族は黙って目を閉じて、過ごすことが多くなっていった太郎さんに、返事がないことに寂しさを感じながらも、かつての日常のように自然に声をかけ続けました。
ある日、帰宅しようとする長女に、気をつけてなと言葉にできた太郎さん。
その時のこと、長女は、ずいぶん昔、学校に行く時にかけてくれたような父の言葉を聞けて嬉しかったと話してくれました。
その数週間後、いつものように妻が寝る前に手をに入り、お父さんお休みと言うと、先に休んでいた太郎さんの目力はすっと涙が流れたそうです。
して、翌朝、太郎さんは眠るように気を引き取りました。
その人らしさは、最後まで残る。
前頭側頭型認知症の人は、衝動を抑えることが難しくなり、人格が変化したように見えることがあると言いました。
しかし、事例31.32、33と、太郎さんの経過を見ると、やはり前頭側頭型認知症が進んでも、その人らしさは最後まで残るんだと感じます。
最後まで、家族と過ごすことには安らぎあり、娘や妻へ伝えたい思いが太郎さんの中にたくさんあったことがわかります。
高齢者や認知症を持つ人は、新しい環境になれるのに、若い人よりも時間がかかると言われています。サポート次第では、新しい施設に移動しなくても、安心した環境で過ごし続けることができるのかもしれません。実際、その安心が太郎さんの穏やかさを回復させ、自分の感情を言葉で表現できるまでに至らせたのかもしれません。前頭側頭型認知症では、言語を理解することに必要な側頭葉や、言語を発することに必要な前頭葉に問題が出るにもかかわらず、気をつけてなと言う言葉を太郎さんは伝えられたのです。
太郎さんが最後に伝えたかった思いを拝見すると、やはりバカヤロウ!などと言う診断直後に表れていた叫びは、自分に対する苛立ちだったのであり、前頭側頭型認知症=衝動的になって、人格が変わるなどと簡単に決めつけてはいけないんだと思いました。
アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症と見てきました。ある人がずっと1番良い時のままで変わらないと言う事は病気でなくてもありえないことです。社会の中家族の中で果たす役割は、誰でも時間とともに変わっていきます。
認知症の人と向き合う事は、能力や役割で人を見るのではなく、その人らしさは本当は何なのかを見る1番の勉強させてくれるように思います。
アシストポイント
感情は最後まで残るのか・・・
目の前のその人を尊重し、わかろう、わかりたいと言う思いで関わりましょう。
ご本人の思い:
変わらない思いをわかって欲しい。
認知症になると、その人がその人で亡くなってしまったり、思いを伝え合うこともこんなになってしまうと考えられがちです。けれど、事例の太郎さんは、前頭側頭型認知症で感情のコントロールが難しい状況にあっても、最後まで楽しさを伝え続けてくださいました。
そして、太郎さんの事例は、その人らしさが伝わるためには、尊重してくれる人と、なじみの環境が重要だと言うことを教えてくれています。
アシストポイントは、目の前のその人を尊重し、わかろう、わかりたいと言う思いで関わることです。
その思いは伝わり、その人らしい反応を返してくれるでしょう。
馴染みが感じられる生活環境の中で、自分を尊重してくれる人から、なじみのある声かけをしてもらうと、その人らしさを最後まではっきりできるのだと思います。
事例34
なぜ、若年性認知症の人へのサポートは高齢者と異なるのか。
男性、57歳、若年性認知症(アルツハイマー病)介護保険未申請、夫婦2人暮らし3年前に、認知症の診断を受けた。治郎さんの楽しみは、歩いて10分ほどの旧友宅に行き、世間話をすることでした。
突然尋ねても、不在の時もあるため、必ず電話をかけて、じゃあ今から向かうからねと告げます
旧友は、次郎さんの携帯電話に連絡を入れました。しかし、電話に出ないため、次郎さんを探し始めました。
3時間後、警察から電話がありました。次郎さんは、旧友宅から6キロも離れたバイパス通りを歩いていたところ、交番を見つけて助けを求めたそうです。次郎さんは、自分が2時間以上も歩いていたことに、気づきますでした。
脳科学からの解説
若年性認知症が発症する確率と遺伝的要因
65歳未満で発症する認証若年性症と呼びます。
どうして若い人が認知症になるのでしょうか。家族性認知症と言ってこの遺伝子を持っていると、必ず認知症になると言う遺伝子は確かに知られていて、親のどちらか片方がその遺伝子を持っていると、子供は50%の確率で認知症になることが知られています。そして、そのような家族性の認知症は、発症が早いことが知られています。
しかし、若年性認知症の人の中で、このような家族性の認知症は、10%までに過ぎず、大半の人は65歳以降に認知証と診断された人と同じく、家族の中に誰も日常になった人はいないにもかかわらず、思いもよらず、診断されているのです。残念ながら、原因はまだよくわかっていません。
家族性でなく、単発になる狐発性認知症の人たちについて、老年期についてでさえ、まだ原因がよくわかっていません。
ある遺伝子の形を持っている人と、別の形を持っている人よりも、日常になりやすいと言う事はあるにせよ、この遺伝子を持っていると確実に一緒になるなどと決まってはおらず、家族の中に認知症の人がいても、自分がなるとは限らないし、家族に誰もいなくても、自分がなることがあるのです。そもそも認知症になる1番のリスクは、加齢だと言われています。すなわち、誰でもなる可能性があるのです。
若年性認知症と老年期の認知症の違い
では、若年性症と老年期の認知症に違いは無いのでしょうか?いくつかの違いがあります。老年期の認知症でも、若年性認知症でも、アルツハイマー型認知症が最も多いのですが、若年性認知症では、前頭側頭型認知証も多いと言われています。
つまり、若年性では、記憶以外の症状も目立つと言うことです。
また、記憶が中心的な問題であるアルツハイマー型認知症に限っても、若年性のアルツハイマー型腸の人は、老年期の人よりも、記憶症状が目だたないと言われています。
若年性と老年期のアルツハイマー型認知の人で、認知症の進行度合いが同じ、すなわち、認知機能の低下を図るテスト(MMSE)が同程度だとすると、若年性の人の脳の方が、病理が進んでいることが多いと言われています。
若年性の人の方が、アミロイドBの蓄積が多かったり、神経細胞のダメージが大きかったりするのに、老年期認知症の人と同じ成績は出せるのです。
つまり、ダメージを受けてしまった細胞があっても、まだ生き残ってる細胞がそのダメージを補っており、その補う力が、若い人の方が高いことを示しています。そのようなダメージを補う力を可塑性と呼びます。もともと脳には別の機能を担当していた神経細胞が、他の役割まで担うように変わる柔軟性があるのです。
適切なサポートとは
次郎さんが、友達に会いに行くことを止めない事は素晴らしいことだと思います。若い人は、歩いて行こうと思えば、歩いて行ける体力がありますし、そのような気力は維持されていることも、また病気になっても変わらずに受け入れてくれる友達がいることも、とても素晴らしいことです。
また、IT技術等への親しみも、若い人の方がお年寄りよりもある事は本当にアドバンテージだと思います。と言うのは、新しい場所へ行こうと思ったら、スマートフォンの使い方がもう身に付いている。調べ方を知っている。認知症になってから新しくそのような方法を最初から覚えなければいけないとしたら大変かもしれませんが、若い人はもうそこはについているんだから、調べていけば良いだけなのです。
今回、次郎さんは道を間違えて、たどり着けなかったようですが、警察の力を借りたり、街の人の力を借りたり、スマートフォンの力を借りたりして、また挑戦してみれば良いのだと思います。何度間違えても、やってみようと思える事はとても大事なことです。
若年性認知症で1番苦しい事は、発症年齢が若く、仕事をバリバリしていたり、子供がまだ小さい年齢で診断されてしまうかもしれません。こんなはずじゃなかったと言う思いや、将来に対する不安が老年期で診断される人よりも大きいと言われています。
だからこそ、若い人は特に可塑性が大きく、体力もあるのだと言うことをお伝えしたいのです。できなくなったことを他のことで補えるかもしれないからです。それに間違いを恥ずかしく思うのではなく、間違いをしても構わないよと言う状況をみんなで整えて、どんな小さな事でもいいからやってみようと言う気持ちを維持することが大事だと思うのです。
今の自分にとって、少しだけ難しいことに挑戦する。
認知症と診断されても、学びは終わりません。それは、例えば、アルツハイマー型認知症なら、事例01で示したように、大脳基底核や小脳と言う部位は、この病気になっても残りやすく、体の学習は続いていると言うことが証拠です。
若年性認知症になると発症年齢が低く、男性が発症すると、仕事、家族の事を考えなければいけないので、とても不安だと思うので、少しでも寄り添いたいと私は考えます。田澤 美雪&田中 深雪より
