今日は神田明神へお参りに行ってきましたよ!
今日は妹と一緒にミートソーススパゲッティーとアイスコーヒーでランチを楽しみました。
2026年9月12日(土)雨 なぜ認知症の人は家に帰りたがる?
恩蔵絢子&永島 徹 p226〜p246
週に2回のデイサービスをとても楽しみにしている。良子さん。スタッフが迎えに行くと、毎回今日は遅かったね。ずいぶん待ちましたよと言って、いそいそと奥くの部屋から出てきてくれました。しかし、玄関を閉めようとすると、良子さんの表情が変わります。あらやだ、おかしいよね。
いつもここに入れているのにと焦り出します。鍵が見つからないのです。
おかしいよねと家の中に戻ろうとしながらも、誰か待ってるんでしょ?と車中を気にしてる様子。
人を待たせることに申し訳なさを感じているのか、ますますこん乱した表情になっていきます。慌てないでねと言うスタッフの声は耳に入らない様子で、ついには、きっと娘が持っていたんだわ。せっかく来てもらったんだけど、今日は行けそうにないですと言い出してしまいました。
脳科学からの解説
大事なものは決まった場所に置く。
事例05で、アルツハイマー型認知症になると、人格指標big5に変化が見られ、神経性的傾向が高まると言う話をしました。
神経性的傾向とは、小さなストレスで、ものすごく心配になってしまったり、不安を感じやすくなったり、時に妄想的になってしまう傾向のことを言います。
良子さんは、デイサービスを楽しみにしています。きっと、そこにいる人たちが好きだからこそ、鍵が見つからないことで、待たせて迷惑をかけてしまうと焦ってしまうのでしょう。
スタッフは慌てないでくださいと声をかけています。しかし、ご本人とっては、もう行くことはできないと言う位、1つスムーズにいかないことで、不安が高まってしまいました。
鍵など小さなものは、いつもとは違う場所に置いてしまうと、誰でも一瞬わからなくなって焦るものです。アルツハイマー型認知症の人は、記憶力に問題があるので、さっき自分がどこに置いたかを思い出すことが健康な人よりもいっそう難しく、混乱してしまいます。
アルツハイマー型認知症の人は、何度も繰り返しているので、事は覚えられるので、いつもの場所は知っています。
だから、対策としては、大事なものは決まった場所に置く、ということなのですが、大事なものは頻繁に持ち出すので、ついついいつもの場所に置けないことがあるのも事実で、問題が起きやすいのです。
まず、ご本人が落ち着いて探すことができるように、周囲は待つ時間を長く持つことが求められます。
自信を失うと、神経症傾向が高まる。
アルツハイマー型認知症になると、失敗が増え、自信を失いやすくなってしまいます。ここで伺いたいのは、皆さんも自分に自信がない時に電車に乗ったりすると、やっぱり私の着ている服は変なのかななどと、人の目線が気になることがありませんか?
アルツハイマー型認知症に限らず、自信を失うと、本当は誰でも神経症的傾向が高まります。
アルツがハイマー型認知症では、それが強く現れているだけなのです。
これに関連して、アルツハイマー型認知症では、よくも取られ妄想が出ると言われます。モノ盗られ妄想とは、財布は無いことに気がついてパニックになり、誰が取ったのではないかと妄想してしまうようなことを言います。一緒に暮らしている子供なら、施設の職員にとられたと思い込んで、その人はみんなの前で責めるので、責められた相手は自分は取っていないどころか、普段これだけの人のためにやっているのに自分のせいにするなんて・・・とショックを受けてしまいます。
現実でないことを言って人を責める。それは確かにそんなふうに変わって欲しくないと思うことの1つかもしれません。
しかし、これは意外なことに、やはり健康な人でも、よく起こっていることなのです。
皆さんが電車に乗って、家に帰った時、カバンの中に財布はなかったとしましょう。最初に思う事はなんですか?
電車で誰かにとられたかもしれないということではないでしょうか。それで、よくよく探してみたら、改札を出たときに、もう一つのカバンに無意識に入れたことを思い出して、そちら側のカバンを探してみると、財布が見つかりそうだった。自分で入れ替えたんだった。よかったとほっとします。
大事なものが見当たらない時に、一瞬、自分以外の誰かのせいにする事は多いのです。なぜなら、私たちは自分にとって大事なものを自分がなくしたりするはずはないと思い込んでいるからです。大事なものなら、自分はなくさない。なくすとしたら、あの場にいた誰かのせいだからと1番そういうことをやる可能性がある人は頭の中に浮かべます。そして駅に電話をかけたり、具体的に思い込んだ人に連絡を取ったりします。
健康の人は、最近の恐怖をある程度正確に思いことができるので、自分の行動を振り返って、細かく検証してみることができます。
だからこそ、自分が別のカバンに移し替えていたことを思い出し、スリにあったのかもしれない。〇〇さんが、盗んだのかもしれないと言う思いを消すことができます。しかし、アルツハイマー型認知症の人は、直近の自分の行動の記憶を正しく思い起こすことができないから原因がたどれません。
そのため、誰かのせいにしたままになってしまうのです。
家でお財布がない時、1番最初に盗む可能性があるのは、家に一緒に住んでいる配偶者か子供でしょう。なぜなら、自分が自分で財布を隠すはずはないし、泥棒が入るよりは、まずは家にいる人が犯人の可能性が高いからです。そのため、家族に財布を取ったでしょうと責めることになります。
アルツハイマー型認知症の人は、記憶をたどれないので、人のせいにしてしまうだけです。
対策としては、財布や時計、鍵といった大事なものは、なるべく置き場所を決めておくこと。そしてどうしてもご本人がいつもの場所に置けなかった時に、誰かが疑われてしまった場合は、ご本人が起きやすい場所を順番に探してみて、財布を見つけて、そこにいつもの場所に戻しておくのがいいかもしれません。それでいつもの場所にあると言うことに自分で気がつけば、自然と落ち着かれると思います。
大事なものをなくして、身近な人のせいにしてしまったら・・・・
なくさない工夫をご本人と一緒に考えましょう。
ご本人の思い
私はなくすはずがない。
早く見つけないと迷惑がかかる。
大事なものが必要な時に見つからないと、誰でも慌ててしまいますが、アルツハイマー型認知症の人は、自分の記憶を正しく思い起こすことができないために、なおさら慌てて混乱してしまいます。
アシストポイントは、ご本人の生活習慣に合わせて、ものをなくさない工夫を本人の気持ちが落ち着いているときに一緒に考えることです。
例えば、鍵なら、外出時にご本人が気に入って使っている手提げにストラップホルダーでつけることで、見つからないと言う事態を減らせます。
作戦会議をするような楽しい雰囲気で、その人に合った工夫が見つけられるといいですね。
事例15
なぜ、
お金の管理が、
できなくなるのか。
絹枝さん、女性、78歳、要介護1、アルツハイマー型認知症、一人暮らし
5年前に夫をなくした絹枝さんは一人暮らしですが、市内に娘がいて生活をサポートしています。
夫が亡くなって3年ぐらいは、友人とあちこち食事に出かけることが楽しみでした。
そんな絹枝さんの変化に、娘さんが気づいたきっかけは、
お金がないからおろしてきてちょうだいと言う母からの電話でした。
まとまったお金を置いておく事は物騒だからと絹枝さんに言われて、娘は定期的に生活費として飲食にかかる費用を届けていました。
連絡をもらった日の数日前にも食費として20,000円渡したばかり。おかしいと思った。娘さんが自宅に確認に行ってみると、財布の中は1000円札が1枚のみ。台所のテーブルの上には、コンビニ弁当と小銭がたくさん入った蓋のないお菓子の空箱がありました。この小銭を使ったら良い。
じゃないと言うと、絹枝さんは私の年金だよ。いいから早くおろしてきてと聞き、耳を持たず声を荒らげるので、娘さんは驚いてしまいました。
脳科学からの解説。
お金の支払いや部屋をきれいに保つには記憶力と注意力が必要。
アルツハイマー型認知症になると、物事の整理が苦手になるところがあります。
例えば、小銭の管理ができなくなって、
お財布が個人でパンパンになってしまう。これはお店で品物の金額に合うように足し算と引き算をして、小銭にを組み合わせて出すのに、記憶力や注意力が必要だからです。やろうとするととっても時間がかかってしまうので、どんな買い物をするのにも、お釣りを相手に考えてもらえば良いだけのお札を出してしまうのです。皆さんも忙しいときには小銭を出さず、1000円札を出してお釣りをもらうことがあるでしょう。
部屋の中の物の管理も同じで、使ったものを元通りに戻すためには、記憶力と注意力がなくてはなりません。何かを食べたいと思って、お皿に食べ物を乗せて、それを洗って、また元の位置に戻すためには、ずっと注意がついてなければ難しいでしょう。
食べ終わり、欲望が満たされれば、そのことから注意がされてしまうかもしれません。そうして使ったものが出しっぱなし
になって、どんどん目に見える場所にものが溢れてしまうのです。
小銭が貯まることや、部屋が汚れるのは、たいした問題では無いのかもしれません。
しかし、預貯金の管理となれば、深刻な問題です。
自分がどれだけ引き出したいのか、どれだけ余りがあるのか、それを気にしていないと、今使ってるお金がどれくらいか分かりません。
そのため、使い過ぎてしまったり、逆にあまりに警戒心が高まって、必要なものを買えないと言う事態に陥ることがあります。
ですから、絹枝さんが娘さんに預貯金の管理を任せることにしたのは良かったと思います
使いやすい形に変える工夫をする。
しかし、お菓子の空箱にたくさん小銭が貯まっていて、娘さんにお金を請求してしまうようになってしまったのとのこと。
それは、小銭が絹枝さんに使いづらい形だからなのかもしれません。
お札を娘さんから渡されるたびに、崩してしまうことになって、大量の小銭になります。その場合には、銀行に行って、お札に変えてもらってはどうでしょう。
人間は自分が使えるものは把握できるけれども、使いにくいものは把握しにくいところがあります。小銭を数えて、それを足し合わせて、自分がいくら持っているのか把握する。それは、記憶力と注意力に問題がある。アルツハイマー型認知症の人には。
難しいことです。箱にはたくさん小銭が入っている。でも、それを足したり引いたりできなければ、それは小銭の意味を持たないのも当然で、金属のものがたくさんあると言うだけで、使えるお金と言う意識を用いにくいのかもしれません。
しかし、捨ててはいけない貴重なものだと言う事はわかっていて、ちゃんと取っておいていらっしゃると言うことにも気づいておくべきです。
また、食事は1人で料理することが不安になっているから、コンビニなどに買いに行っているのかもしれません。月々に使えるお金を超えてしまうほど、毎月使っていらっしゃるのかどうかを小銭をお札に変えるなどして、娘さんが把握してみましょう。
問題がなければそれで良いのだと思います。もしも必要以上に使いすぎていたら、事例13の薬の管理と同じで工夫が必要です。
現実にその人ができていることを認める
ただ、絹枝さんの持っている、自分の年金なのだから、自分の勝手にしていいはずだと言う気持ちはもっともです。
対策としては、まずは、その気持ちに寄り添いましょう。ついその人のことを本気で思う人ほど、お金がなくなってしまうのではないかと心配して、そんなに使わないで、だめだよ。これしかないのだから。
と禁止のことばかり使ってしまうのです。
自分のやってることを否定されると、いっそう自分は1人で暮らすことができているんだと示したくなって、自分のお金なんだから、早くおろしてきてと言う強い言葉になるのかもしれません。それならば、1人で暮らせていて、すごいねと現実にその人ができていることを認める言葉を使ってみるのが良いでしょう。認められることで、焦りが消えて、お金遣いも落ち着くかもしれません。
アルツハイマー型認知症の人が、お金を使いすぎていたとしても、何をどうしてそんなに買いたがるのか、根底にある気持ちを探り、その感情を理解すれば、家族もそんなに管理しようと焦らなくなるかもしれません。また、ご本人も自分の思い、が伝われば、もうその行動はしなくてもいいかなと感じてもらうことができると思います。
アルツハイマー型認知症の人は、頭の中で、物が置いてある場所はわかるけれども、違う所に置いてしまうと忘れてしまうので、お家の方がご本人と一緒になって考えて工夫してあげて下さい。田澤 美雪&田中 深雪
